Movida Madrilena の映画

------------------モビーダを理解するための映画

Pepi、Luci、Bom y otras chicas del monton
(Pedro Almodovar/1980)

アルモドバル監督の16ミリ第一作目の映画。
モビーダの初期に重なるこの作品は、当時の雰囲気を知るには格好の映画です。


ペピ;ハイテンションで生きる、ちょっといかれた女の子。
ルーシー:警察官を夫に持つおとなしい主婦。
ボム:ワルでクールなとっても若い女の子。 バンド、"El Bomitoni"(ボムとトニー)のメンバー。
全く違った環境に生きる3人の女の子が出会って起こる化学反応、騒動を描いています。

アルモドバル監督のいつものモチーフ、SEX、ゲイ、カラフルな洋服と部屋、
ヒステリーを起こす女の人etcがあちこちにちりばめられています。

音楽的に特筆すべきは、2つのバンドのシーン。
ひとつはバンドの練習風景。
当時、15、6歳であったボム役のアラスカはバンドの練習ではかったるそうにギターを弾いています。

そしてコンサートシーンで歌うアラスカ。
あまりのかっこよさに、私は4回くらい繰り返して見てしまいました。
この若さにしてこのカリスマ性。お世辞にもうまい演奏とはいえないのですが、あきらかにひきつけるものがあります。
少し低めの声で、はすっぱな感じで歌い、その視線はかなり挑発的。
(今のテクノ調よりも、パンクのほうアラスカの声にあっていてがかっこいいと思う!)

少し下世話なところも多い映画なので(この時代に行われた総選挙〜Eleccion general をもじって勃起大会〜Ereccion generalを開催するあたり等)嫌いな人も多いみたいなんですが、
ぜひこのシーンだけでも見てほしい!!

Que haces una chica como tu en un sitio como este?
(Fernando Colomo/1978)

「君みたいな女の子がこんなところで、何してるの?」

フェルナンド監督の第2作目。正確にいえばモビーダの作品ではなく、スペインの民主主義国家への過渡期の音楽シーンをかいま見られる作品。78年という年はちょうど憲法制定の年でもあり,スペインの1つのターニングポイントかもしれません。

ロサは、2人の子供の母親。夫とは離婚したが、彼はいまだ未練がありいろいろと介入してくる。友人の紹介で、夜の遊びの世界をしった彼女はあるバンドの
ボーカルと知り合う。しかし、前夫の度重なるいやがらせに、このままでは自分の人生を過ごせない、と確信した彼女はある決断をする・・・。

ここで出てくるバンドは、Burning。
この時代のバンドの中でも有名で、普通の人でも、ああBurningね、というくらいです。
この映画にでてくるボーカルは少し、LOU REEDを思わせるところがあり、
結構、魅力的でもあるのですが、この人は映画のためだけで
正式メンバーではない模様。
本当のバンドのリーダーはロサの美容院の従業員の彼氏役。

この映画のタイトルにもなっている「君みたいな女の子がこんなところで、何してるの?」はなかなか悪くないけれど、これも映画のために作った歌。ロサがコンサートに訪れた時
ボーカルの彼は彼女に語りかけるように、この歌を歌いだします。

BURNINGの曲はフランコ体制が終わってようやく自由にバンドで表現ができるようになった
スペインを象徴しているようです。
70年代のヒッピーや、ハードロックの影響がかなり強く、演奏としても、
ああ,まだロックが始まったばかりね、といった感じ。
それに比べて80年代、モビーダ世代のバンドの曲はパンク色が強く、
ポップアートの影響も大きく、いろんな試みをしてみよう、という意識を強く感じます。

たった2年の違いだけれど、この映画とアルモドバル監督のPepi、..は、
登場する俳優陣もかなり重なっているので、比べてみると興味深いです。

 

 

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