「君みたいな女の子がこんなところで、何してるの?」
フェルナンド監督の第2作目。正確にいえばモビーダの作品ではなく、スペインの民主主義国家への過渡期の音楽シーンをかいま見られる作品。78年という年はちょうど憲法制定の年でもあり,スペインの1つのターニングポイントかもしれません。
ロサは、2人の子供の母親。夫とは離婚したが、彼はいまだ未練がありいろいろと介入してくる。友人の紹介で、夜の遊びの世界をしった彼女はあるバンドの
ボーカルと知り合う。しかし、前夫の度重なるいやがらせに、このままでは自分の人生を過ごせない、と確信した彼女はある決断をする・・・。
ここで出てくるバンドは、Burning。
この時代のバンドの中でも有名で、普通の人でも、ああBurningね、というくらいです。
この映画にでてくるボーカルは少し、LOU REEDを思わせるところがあり、
結構、魅力的でもあるのですが、この人は映画のためだけで
正式メンバーではない模様。
本当のバンドのリーダーはロサの美容院の従業員の彼氏役。
この映画のタイトルにもなっている「君みたいな女の子がこんなところで、何してるの?」はなかなか悪くないけれど、これも映画のために作った歌。ロサがコンサートに訪れた時
ボーカルの彼は彼女に語りかけるように、この歌を歌いだします。
BURNINGの曲はフランコ体制が終わってようやく自由にバンドで表現ができるようになった
スペインを象徴しているようです。
70年代のヒッピーや、ハードロックの影響がかなり強く、演奏としても、
ああ,まだロックが始まったばかりね、といった感じ。
それに比べて80年代、モビーダ世代のバンドの曲はパンク色が強く、
ポップアートの影響も大きく、いろんな試みをしてみよう、という意識を強く感じます。
たった2年の違いだけれど、この映画とアルモドバル監督のPepi、..は、
登場する俳優陣もかなり重なっているので、比べてみると興味深いです。
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