雑 記
------------------スペインRock/Popで思ったこと

Polar "ON THE SKY"(2004/3/28)

あまりの美しさに息を飲んでしまう、そんなことがあると思う。
Jabalinaのページでいろんな曲を視聴していたときのこと。
確か何かをしながら、BGMのように曲を聞いていたのだと思う。

その瞬間、息を飲んだ。
静かに続いていた曲が急に堰が切れたように、音の洪水になったからだ。
何かしていたはずが凍りついたようにパソコンを見つめたまま
ぼーぜんとなってしまった。

その曲はPOLAR ”ON THE SKY”。10分近くある曲で、 シングル"SNOW SONG"
収められている。4分近く、ギターメインのインストが続いた上で、ようやく歌が始まる。
とにかく美しい曲だ。POLARは曲を聴いていると、目の前で映写機が回っている気分になる。
いろんな情景が目に浮かぶからだ。曲の後半になって、エコー音が自由に空を駆け回る。
自分も空に登っていくような感覚すら覚える。

この曲に会えて涙がでそうなくらいだ。
まずは聞いて見てほしい。
他の曲、たとえば”Un Chien Andalou”も胸が締めつけられるほど 美しい。
そして、できればジャケットを手にとってみてほしい。CDケースを開くと
雪の情景が広がる。これだけでももう目いっぱい幸せだ。
Javier Aramburuハビエル アランブルによるデザイン。
JabalinaのCDはジャケットから音楽が始まっている!)
ちなみにGalaxie 500の"Tell me"のカバーも収録されている。

なんと、このPOLARがレコーディングを終えたそうだ。
来月あたりにはもう、スペインの店頭に新しいアルバムが並ぶかもしれない。
こんどは春の音だろうか?どんな景色に会えるんだろうか?待ちきれない。

Jabalina Musica sonido, soundコーナーから視聴可能
雑記 Polar 雪の歌(2004/3/10)

Sinnamon Recordsのニュース(2004/3/23)
Sinnamon Recordsはバルセロナのレーベル。
実はここが大きい動きを見せている感じだ。

気がついたら、スペインポップの重要なバンド2つが顔をそろえたからだ。
それはBuena VidaとChucho
ともに経歴も長く、確実な人気を誇る。

しばらく目立った動きのなかったChuchoだが、ようやくSinnamon Recordsのもとで
活動開始のようだ。
まずは春のフェスティバル、Primavera Soundへの出演。バルセロナで行われる
このフェスティバルには、夏のFIBベニカッシムに負けずとも劣らぬ、いや近頃は
それ以上ではないかという堂々たる顔ぶれをそろえるフェスになっている。
そして今月末にはシングル"La mente del monstruo"の発表。このシングルはどうもTim Burtonによる ジャケットらしい。
そして5月末にはアルバム"Koniec"が発表される。

ところでこのChucho、犬って名前なんだけれど、説明するのも
結構難しい不可思議なロックバンド。日本人にはなかなかとっつきにくいかもしれないが
聞き始めれば、耳にはりついて離れない。
かたや、日本でもおなじみ、良質なポップのBuena Vida。


けっして同質ではない、この2つの大きなバンドを抱える、Sinnamon Records、
今後は どう勝負にでるんだろう?

Sinnamon Records

Happy Losers 幸せな敗者(2004/3/22)

The Happy Losersの新しいアルバム"Bubbles"が3/13に
発売された。1度、HMVでシングルを買ったことがあるが、
その時は正直するりと耳を抜けてしまった。
聞いていてここちよいポップだ。
しかしいまいちフックにかけるというか、甘くすんなりと聞ける分、
通り抜けてしまったのだ。

POP OUR LIFEでの大プッシュが気になって、今回じっくりと
聞くことになった。詳しいレビューについてはそちらに
まかせて、ここでは気になったことをひとつ。

それはThe Happy Losersという名前。
幸せな敗者。
彼らは93年に結成された既に10年選手である。
今回のアルバムについている各曲の解説を読んでいると、長く生きてきた
苦味を感じるのだ。


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「夢が現実になるかどうかは、君次第」というスローガンを聞くのは何も初めてじゃない。
とても希望に満ちて、温泉地(ここの訳あっているかどうか??)のカタログの言葉のように
ここちよい。けれどこれは真実じゃない。
"Bubbles"を準備している間、僕の大事な夢のいくつかは
飛んで消えていってしまった、と言うことができる。僕たちがおかれている多くのことは
僕たちががんばって達成できることとはかけ離れた環境に左右される。それは、息の出来ない
泡なんだ。

(アルバムBubbles "My Dreams Go Down in Bubbles"解説)

10年間、この一緒にギターを弾くってことをした後で、僕たちはいくつかのことを
学んだっていえる。ま、初めで唯一のデモテープを作り始めた時に無邪気に信じてた
王女様のお話の多くことは、飲み込んで、消化するのも難しいヒキガエルに変わってしまった......

(アルバムBubbles "Learning to be the second one"解説の一部)
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以前Ursulaを聞いて痛い、と思った。
だけれど、The Happy Losersのさわやかなポップにのった
この苦味はまた違った痛さがあるみたいだ。

負けることを知って、あきらめることも覚えて、でも歩いていく。
少し、人生を斜に構えてみている大人のポップなのかもしれない。


Happy Losers HP
Rock Indiana
視聴可能
Perfect pop内Happy Losers全ディスクレビュー

反テロデモ(2004/3/12)


今日はマドリッドに国旗に黒いリボンが溢れていた。
199人の死者、1400人の負傷者。(今朝の新聞より7人も死者が増えている......)

今日はほとんどの店が18時あるいは19時に閉まったと思う。
19時からのデモに参加するために。
そのために地下鉄、バス等の交通機関はこの時間帯、無料になった。

デモが始まる時間に合わせたように雨が激しくなった。
傘の群れの中、シベーレスからアトーチャ駅まで1時間近くかけて歩く。
私の周りはあまりスローガンを叫ぶ人もおらず、まるで
長い長い、凄い人数の葬列のようだった。

デモ、という手段に実は少しだけ疑問を感じるところもあった。
去年の反戦デモはまるでお祭りのように見えたからだ。
しかも、敵が、ETAなのか、AL QUADAなのかわからない。
でも、体の小さい私にはこの国では献血すらできない。
デモに参加して、あの、傘の群集の中のその1個の傘になること、
これしか私にはできない。

今日は窓辺にろうそくをともした。

199人の方の冥福を祈るために。
その家族へお悔やみのために。
そして、まだ、家族とめぐりあえずに何件も病院を巡っている
人たちが、早く本人にめぐり合えますように。

マドリッドのテロ(2004/3/11)

今日、マドリッドの近郊電車で連続テロが起こった。
マドリッドの交通の要、アトーチャ駅とほか2つの駅で
電車に仕掛けられた爆弾が爆発、16時現在で170人以上の死者がでた
という。

午前中11時ごろに中心街に出かけたが、アトーチャ付近の地下鉄が不通、および
近郊電車が全線不通。不思議に思ったが、特に気にとめず用事を済まし、
昼を食べるため自宅に帰る途中、知り合いの電話で初めて知った。

先日死刑宣告の出たオームの事件の時も、仕事に行くための地下鉄に乗ろうとして
火事のため不通、といわれて、特に気にもとめず別のルートで仕事場へ行ったことがある。
その時のことを思い出した。

犯行声明はないがETA(バスクのナショナリスト集団)の犯行といわれている。
いくら、愛とか、平和とかいったって、
こんな暴力を使われたら、私たちはいったいどうしたらいいんだ??

各政党の代表が ETAへ厳しい態度でのぞむ、と次々声明を発表していくけれど
やりきれなさを感じた。

正しいことでなくても、力を持っているものが勝ち。

そんな時代に生きてしまっているようだ。

音楽への愛情 Jabalina Spirit(2004/3/11)

以前にも、雑記で書いたのだけれど、
"Diez anos de espiritu Jabalina vol,1"
マドリッドのレーベルハバリーナの10周年記念のコンピ盤
 「ハバリーナスピリットの10年」を、また この2、3日聞いている。

数日前、幸運なことにJabalinaの方と話をすることができた。
このコンピから受けた印象と同様に、その話し方から
音楽への深い愛情を感じることができた。

アーティストを選ぶにあたっては、ひとつの傾向ではなく
なるべくバラエティーを持たせるようにしているという。それにしてもこの、コンピのタイトルの
ようにJabalinaの精神、その持っている色あいというのは1つ筋が通っている。

このコンピをはじめて手にした時はそのデジパック仕様のCDの美しさにうっとりした。
そこで、「もう手に取った時から音楽が聞こえるみたいでした。」
と言ったところ、とっても嬉しそうな笑顔をみせてくれた。また紙の質感がとても
気に入った、と伝えると、スペインではこの質感、クオリティーは無理なのでオーストリアに
わざわざ発注しているとのこと。
ジャケットも全て込みで、音楽が形成されると思っている私に力強い賛同者が現れた気がした。

ジャケットデザインは元FamilyJavier Aramburuが担当している。彼はそのほかにも
PolarSouvenirDar Ful Fulのジャケットデザイン、Jabalinaのホームページのデザインも
担当しており、Japbalina Spiritを形づくる上で重要な役割を果たしているようだ。

このコンピはvol.1ということで、いろんなテーマで今後、続編がでるとのことだ。
その際、上の白い部分は共通で下の絵の部分がいろいろ変わっていくそうだ。

音楽への愛情にあふれた作り手から生み出された音を聞くと
この上ない幸福感に浸ることができる。


jabalina sonidoコーナーから視聴可能

Polar 雪の歌(2004/3/10)

もう少しで春が訪れるけれど、その前に雪のことを少し。

Polarの曲で"Snow Song"という曲がある。
とっても美しい曲だ。まるで雪の日の風景をそのまま
音にしたようなのだ。

静かなイントロから始まる。雪の降る日は
音が吸収されて静かだけれど、その静かさを
音にしたらこんな風になるんじゃないか、と思わせる。
窓から降り始めた粉雪を眺めているようだ。

ボーカルの声には少し温かみがある。雪の中でコートを着ているときに
感じる暖かさに近い。ギターのリフレインはまるで、雪が降る積もっていく様だ。
コートを着て、外に踏み出す自分の姿を想像してみる。

少しずつ雪はぼたん雪に変わっていく。
ギターの音は大きくなっていく。ブーツで雪を踏みしめる音のようだ。
ギターの音は(または、雪は)私たちの周りを取り囲んでゆく。

いつの間にかあたり一面は真っ白で、そこに立ち尽くしている。
気がつくと、音かこまれて、立ち尽くしてしまう。

Polarの音楽は聞いていて何か胸がせつなくなる。
せつない、というか何か不思議な感情が胸に起こる。
丁寧に大事に聞いてほしい。

視聴(Jabalina Musica HP)

勝者 Marlango?(2004/3/9)

3月5日の雑記で、L Kanが、日本で成功するのだ!
と冗談なのか、言っていたのだけれど、
Marlangoはもう、ある意味達成したらしい.......

この写真はsubterfugeのホームページから。



顔、小さいなあ......

L KAN "Kamatteyo"(2004/3/5)

Subterfuge RecordsのCDをいくつか手にいれたので、しばらく
我が家はSubterfuge祭りになりそうだ。
そんな中でL KAN

バンド名から勝手に金属系テクノ調を思い浮かべていたのだが、
男の子ボーカルと女の子ボーカルのデュエット曲の多い
おとぼけエレクトロポップ、とでもいうのか、ひょうきんで
ちょっと腰抜けなポップを展開する。
エレファントレーベルのMONJA ENANAを聞いたことのある人は
それを思い浮かべてほしい。

日本人として一番おとぼけだ!と感じたのは
"Kamatteyo" という曲。
これが何故か日本語の曲なのだ。

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君はKapitalに ゆきたいっていうけど
僕はそこが大嫌い
君は寿司が食べたいというけど
ぼくはおいしいガスパチョが飲みたい

君の好きなところで
君の好きなときに
会いましょう 踊りましょう
二人でいっしょに

でも お願いだからかまってよ
でも お願いだからかまってよ

(L kan "Kamatteyo" /Superenserio)

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少し発音がたどたどしいが、結構いけている。
「おいしいがガスパチョ」が妙に泣ける。
おそらくスペイン人にはさぞかし日本語がエキゾチックに響くのだろう。
ちなみにKapitalとはMadridのでっかいディスコ。

ボーカルのO kanが日本にダンサーとして5年間すんでいた時の
日本人とスペイン人のカップルの問題について
書いたらしい。
で、全てのモダニズムのバンドとして、日本語でかかないわけには
いかなかった、日本で成功をおさめるに書いた、とのことだ。

がんばれ、L KAN。

視聴
Subterfuge内のサイト
Subterfuge内の視聴

Marlango HMVでインストアライブ(2004/3/2)

掲示板の書き込みで教えていただきましたが、
来日中のMarlangが3/3にHMV渋谷でインストアライブをするそうです。

3/3 18:00  Marlango MINI LIVE&サイン会

ということで、行く方の予習のためのネタをいくつか。

まず、Marlangoの名前の由来、アンゴラのセーターマニアの
女の人のくだりがあるイントロのトムウェイツの曲は、'I Wish I Was In New Orleans' 。
収録されているアルバムは"Small change"。1977年の4作目です。手元にないので、このイントロがきけるのかわかりませんが,.........

そして、3/3に必ず演奏されるであろう2曲の解説をオフィシャルホームページより引用。

----Madness
1998年の初めに書かれた。Madnessはアルバムの中でも古い曲で"Enjoy the Ride"の
次の シングル。
Madnessは日常の中での純真で、皮肉な狂気、子供じみた狂気について。
Madnessは私の頭の中のフィルターに通した暗黒映画のヘロインみたいなもの。
とLenorはいう。
精神状態、閉所恐怖症、眠りの感覚、が、らせん状態に
はじめも終わりもなく渦巻いている。
そんな中をPablo Novoa のソロギターがEnnio Morricone.のクラシックな西部劇へと
つれていく......

----Enjoy the Ride
1999年の夏に書かれた曲。"Enjoy the Ride"はMarlangoの代表曲で
EPではピアノ、トランペット、ボーカルのアコーステックバージョン、
アルバムでは新しくコーラスを加えて録音したバージョンが収録された。
しかしながら、Alejandroはこういう。
「これは初めのころに書いた曲のひとつなんだけれど、演奏するたびに
どんどん知らない曲になっていくんだよ。」

というのもEnjoy the Rideはいろんなことを意味する。
それはMadnessの主人公のように、軽々しくて、傲慢な人。
それは夏、朝の6時、日がもう昇るころに家に帰ること。、
心の中に、遅くなったことへの罪悪感が湧き上がって.....
でも、それがなんだっていうんだ、リラックスして、楽しみなよ........

オフィシャルホームページ las cancionesより)

ということで、行かれる方、enjoy the ride!

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