雑 記
------------------スペインRock/Popで思ったこと

COMTEMPOPRANEAその1......耐久レースの後に(2004/7/31)

FESTIVAL DE LA ESCECENA INDIE
インディーズシーンのフェスティバル。

私が帰国を一ヶ月延ばしたのは、このライブのためだった。
2日間だけで、スペインのバンドが15バンドもみられるのだ。
今年のテーマはFAMILYとEL NIN〜O GUSANOという2つの
スペインインディーズ史上重要なバンドへのオマージュ。
これに行かなくてどうする!

しかし同時に、不安でもあった。
会場となる土地は、スペインの中でも特に暑い、とされる
南西のバダホスの近くアルブルケルケ。
しかもキャンプだ。
全部みるとすれば、9時間に及ぶライブが2日続く。
果たして体力がもつのか??

疲労困憊のほこりまみれ,,,,,

7月23日、24日の両日行われたこのフェスからの帰り、
私と友人は、全身ほこりまみれ、泥だらけ、疲労困憊で
6時間のバスの旅を終えてマドリッドにたどり着いた。
暑さ、乾燥、砂埃、サウナ状態のテント、長時間のライブ,,,,,

しかし肝心のライブはどれも素晴らしいものだった。
LA CASA AZUL, CELILIA ANN, COOPER, SIDONIE,
LA HABITACION ROJA あたりが特に印象深い。
なにやら見た!という達成感すらあったくらいだ。

さて各ライブについてはグループごとに後日書くとして
コンテンポップラネア全体で思ったことは。

人気とライブは比例する

以前から、スペインと、日本での人気のあるバンドの違いが気になっていた。
今回ひとつわかったのは スペインで人気のあるバンドは、
だいたいライブがよい。たとえば、
LA HABITACION ROJA等は日本で知名度は低いと思われるけれど
驚くほど質の高いライブを見せてくれた。

日本で人気が先行してしまっているバンドは時にCDはよいものの
ライブの迫力、魅力にかけることがある。
そんなバンドたちの名前を私が嬉々として並べると
顔をしかめるスペイン人がいた。
当然といえば当然。
スペインでは同じバンドをライブで
年に何回も見られるのだから、当然ライブでの実力とともに
評価されるわけだ。

その体力はどこから???

そしてもうひとつ。

本当は全部のバンドみたかったのだけれど、さすが4時くらいになると
暑さと疲労で動けなくなり、2日とも4時から5時でギブアップ。
そんな午前4時ごろ、ライブとライブの間にDELUXEの"QUE NO"のCDが
かかったとたんに、狂ったように歌い、跳ねだした人々を私は忘れられない。

スペインの人たちは何でこんなに体力があるのか??
こっそり友人に聞いたところ、ひとこと

「やってるんじゃないの?」

確かにいつもより倍、あのにおいがする。
しかもみんなミニといわれる、実際は何故か馬鹿でかい
プラスチックカップに入ったビールやら、カリモチョ(赤ワインのコーラ割り)
なんかをがぶ飲みしている。
うーむ。
知り合いが横を通りかかる。

「昨日は何時までいたの?」

「ああ、6時まで騒いでたよ。よく覚えてないけど。」

彼はご機嫌な顔で、踊りながら消えていった。
おいおい、君は疲れないのかい?
それともあのCMのうさぎのように長時間持続する
デュラセル電池でも搭載してたんだろうか,,,,,,,

COMTEMPOPRANEAオフィシャルサイト (スペイン語、注意、トップページ音がでます!)

アルブルケルケ (スペイン語)

デュラセル電池のうさぎについて (フランス語)

消えた宇宙飛行士......IS(2004/7/11)

高校生のころ、何故か、宇宙飛行士になりたかった。
地球が丸いかどうか、外から自分の目で見てみたかった。
それが、私でなく、もうつきあいはない 同級生が
宇宙飛行士になることになった,,,,.

抹殺された宇宙飛行士、イワン・イストチニコフ

存在すら抹殺されてしまった宇宙飛行士がいる。
イワン・イストチニコフ。
無人機として発表されているソユーズ2号に一匹の犬と乗り込み、
地球軌道を周回中に行方不明になったといわれるソ連人。
彼は宇宙の中に消えただけでなく、本当に世界の歴史の中からも消えてしまったのだ。

彼の残したものの中には、宇宙での悪夢について書き残したノートがあるという。
そんな彼を悪夢から救うかのように、彼は確かに存在したのだとやさしくささやきかけるように
ISはSOYUZ 2(アルバム "ISTOCHNIKOV"に収録)を歌う。

ISの歌うイワン・イストチニコフ

ISはCHUCHOのボーカル、フェルナンド アルファロの奥さんであるイサベル。
アルバム "ISTOCHNIKOV"'''では半分づつフェルナンドとイサベルが曲を作っているようだ。
彼女はSURFIN BICHO(CHUCHOの前身バンド)、CHUCHOで補助的なメンバーとして
コーラス、キーボードで参加。
長いこと同じ音楽環境で育ってきた2人の語る音楽のことばは、ほぼ同じといっていい。

ささやき系のかわいらしいボーカルだけれど、ELEFANTのアーチストたちと違うのは
CHUCHOっぽい音楽性が入っていること。時にギターはハードに鳴り響く。
彼女の声のおかげでやわらく仕上がっているが、ソリッドさも顔をのぞかせる。
そのほかにもいろんな楽しいアレンジがあり、パンクあり、子守唄あり、ソフトポップ風あり,
ガールズポップ風ありで 飽きずに1枚を聞くことができる。

そして、豪華なゲスト陣。

ノイズギターの雄、LOS PLANETAS のJ、吟遊詩人のようなNACHO VEGAS,
MERCROMINAのメンバー、CHUCHOのメンバー。

くぐもった音の中、まるで、宇宙の中に響く誰かの声のようにISは歌う。

僕の名前はイワン・イストチニコフ大佐
僕は決して、決して、存在しない宇宙飛行士,,,,,,,,,

まだ、彼は悪夢のなかを漂っているのかもしれないな.....


イワン・イストチニコフについて (日本語)

ISオフィシャルHP (Limbo Starr内 スペイン語)

視聴する (Limbo Starr内 スペイン語)

視聴する (Fnac)

買う (Limbo Starr内 スペイン語)

男は走れ!......LEN〜O(2004/7/9)

レーニョのTシャツ

最近、町を歩いていて、あるバンドのTシャツを着ている2人
とすれ違った。 その名はレーニョ。
77年に結成された、ハードロックバンドだ。
思わず、彼らの歌を口ずさむ。

Corre, corre, corre,
que te van a echar el guante......
走れ、走れ、走れ、だって、やつらお前を捕まえようとしてるから


アーバンロック、レーニョ

その後、スペインのインディーズの歴史に触れた
本を読んでいてまた、その名前が目に飛び込んできた。
スペインのパンク、ニューウェーブムーブメント、
モビーダの前にでてきた アーバンロックバンド、レーニョ。
(アーバンロックなのか,,,,,)
ここでこのバンドが以外に有名なバンドであったのだ、と気がついた。

B級でも愛着が湧く

レーニョとの出会いは、かなり前ハードロックが好きだった時代に
スペインを旅行した時に適当に買ったテープ、!CORRE CORRE!。

そのほか買った、オブス、バロンロッホ(このへんめちゃくちゃヘビーメタル)に比べ、
もう少し、聞きやすく、ブルージー。
B級な響きは否定できないもののタイトル曲!CORRE CORRE!は何年もたった今でも
口ずさむことができるくらいのキャッチーさがある。

その時のスペイン音楽(ハードロック)に対する評価は

おそろしいほど、ださくてB級。

だったけれど、レーニョだけは、
B級でも愛着が湧く、バンドだった。

夏だ! 男だ! ワイルドだ!

久々聞いた!CORRE CORRE!は、さすがマドリッドの労働者の住む地区の出身、
あくまでもワイルド、男くさい。
最近はあまーい音楽ばかり聞いていて、砂糖まみれになった耳には強力なパンチ。
男、といえばモッズバンドを多く抱えるBIPBIPレーベルを思い出すけれど、
BIP BIPですらこじゃれた男らしさに思えるくらいだ。

暑い夏、クーラーはつけずに、汗をかきながらビールを飲んで聞きたい音楽だ。
(暑苦しいけど)

視聴する

アンオフィシャルHP (スペイン語)
昼寝のおともに......Serpentina(2004/7/7)

スペインの夏は暑い。
午後、2時から、4時くらいまでは、何もする気が起きないくらいに
暑い。じゃ、何をするか?
お昼寝だ。

シエスタ、という習慣

は既にすたれつつあるという。 実際、お店はこの時間帯
閉まるのだけれど、 あるスペイン人に「シエスタ時間」と
言ったら怒られた。 この時間は「お昼ご飯の時間」なのだそうだ。
で、本当にシエスタをする人は少ないらしい。

しかしこの時間、夜に出かける前にベットで横になるのは至福の時。
日本と違って、外からの熱気がはいらないように窓をしめてしまえば、
以外に部屋の中が涼しい時もある。
ご飯をたっぷり食べて、デザートも食べて、さて昼寝だ。

昼寝のおともに......Serpentina

このシエスタのお供にはAnnikaレーベルのバンド、SERPENTINAはどうだろう。
Annikaレーベルは、のんびりとカフェ等で聴くことをコンセプトにしているレーベルだから
まったりするには、もってこい。

彼らのアルバムBlancamananaのジャケットを見ただけで、もう
ほらもうシエスタがしたくなったでしょう。
パコとマリアの兄弟が奏でる音楽は、
やさしく、静かで、遠くで鳴っている気がする。
はい、はい肩の力を抜きましょう、といっている。


なんとありがたいことに、12曲目には
Nana sin letra、歌詞のない子守唄まで用意されているから。

おやすみ!

【LINK】

Serpentinaを視聴、CDを買う (Apple Crumble Records内)

Annikaレーベル

アストゥリアス(2004/7/6)

スペインの北、アストゥリアスへ行ってきた。
この中心地、オビエド。


小説「ラ レヘンタ」の舞台

まずこの都市で思いだしたのは、クラリンの小説、「ラ レヘンタ」
(摂政の妻?)。実際読んだことはないのだけれど、文学の授業の
先生の言葉を思い出す。

かつてはレコンキスタ、国土回復運動の本拠地として栄えた町。
それが、この小説の書かれた19世紀には、没落の様相を帯び始める。
主人公アナの視線はオビエドの町、中世から、近代に移りきれない町に
うつろに投げかけられる。

破壊されたあとに再建された町

実際の町は、1934年の鉱山労働者蜂起による大火とスペイン内戦によって
破壊されたあとに再建された。
印象は、田舎でもない、かといって洗練された都会でもない 地方都市。

何か痛めつけられた、悲しみ、没落した悲しみ、のようなものを感じる。

MUSの音楽

キリスト教徒がイスラム教徒に初めて勝った、といわれるコバドンガの戦い。
この舞台となった 山中に向かう中、バスから見た山々の景色を見ながら、
頭に浮かんだのは アストゥリアスのヒホン出身のMUSの音楽だった。

アストゥリアス語で歌われる、この地域の歴史、風景。
それは、いわゆる南スペインとは全く違った世界だ。

勘違いかもしれない。

でも何か、この景色を見て、彼らの音楽に少し近づけた気がした


MUS (Acuarela内 スペイン語、英語) 

ビデオ視聴 (Acuarela内 スペイン語、英語) 

CDを購入  (map store)

アストゥリアス観光案内 

雑記
Mus..............ささやき声の使い方 (2004/4/26)

アクアレラのCDが日本で買える(2004/7/1)

悲しみをひめた、フォーキーなアーティストたちを
多く抱えるスペインのレーベル、アクアレラ。

このレーベルのCDが日本でも簡単に買えるように
なった。

MAP SOTRE
http://mapup.net/store/

なんといっても魅力は、1500円程度、という値段の安さ!
MUS、AROAH、REFREE(写真はアルバム"NONE")、
GRUPO SALVAJEあたりが スペインのバンドで
現在入手可能。
MIGALAはDVDもついているので、かなりお得。
スペインでも予約段階からかなり売れたらしい。

また、このレーベルの傾向をしるためには
コンピレーション・アルバムもお勧め。
ここではアクアレラ以外からのゲストも参加している。

map toneさん、私の好きなSr Chinarroも入荷してください!


【雑記へのリンク】

ACUARELA.......かなしさの博覧会(2004/5/28)
Mus..............ささやき声の使い方 (2004/4/26)
Aroah 歌がうまいとはどういうことだろう (2004/4/21)

 

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