雑 記
------------------スペインRock/Popで思ったこと

 Octubreを見た時のこと (2003/12/31)
外見と中身のズレについて、引き続き。

以前書いたけれど、私は昔ヘビメタだった時代がある。
そのころは、いわゆる、ヘビメタっぽい格好をいつもしていた。
なぜなら、周りの人に「ヘビメタが好きな人」と認識してほしかったから。

日本では、「こんな格好の人は、こういう人」というような
ちまたに流通している共通のコードや記号を
いろんな場面で無意識に読み取っているのだけれど
スペインではそれが無効になることが多くて驚くことがある。

去年、Octubreというバンドを見に行った時のことだ。
OctubreはLos Flechazosのフォロワーというか
モッズ大好き、60年代大好き、というのが音に溢れているバンド。

彼らのアルバム”Mi mejor y ultima oportunidad”のジャケットは
黄色地にハイヒールの足のシルエットが黒とピンクで描かれている
60年代風スタイリッシュなもの。
ということで、私はモッズファッションに身をかためた細身のナイーブな
男の子たち、というイメージを持ってライブにでかけた。

さて、会場はバーで、ビールを飲みつつ、ライブが楽しめる場所。
音楽ファンが集まる、というよりは、みんなが飲みにきて
ライブを肴代わりに、といった感じだ。
なので、地元のごっつい兄さん、おっさん、みたいな人も
私たちの前でビールを飲んでいたりする。

対バンに引き続き、Octubreの登場。
なんと前で飲んでいた、ごっついおやじがステージに上がっていく。
すごいマッチョでトラックの運ちゃんのようなTシャツ姿の3人が、
うおーっと叫ぶような勢いで演奏を始めた。

そう、前でビールを飲んでいた、ごっついおやじがメンバーだったんだ。
演奏もCDに比べて、ワイルドでハード。ZZTopか!ってくらい。
なんともいえない違和感にかられながらも、ライブを楽しんだ。

考えれば、彼らのレーベルはElefantではなくBip Bip。
どちらかといえば、男気溢れるバンドが多いんだっけ。

人間、外見では判断不能。(スペインでは)

 人間、外見も大事。(2003/12/29)
人間心が一番大事。
美しさはその中身、心に存在するのだから。

しかし私の心の中には外見重視、という悪魔が居座っている。

それはUrslaというバンドを見ている時だった。
普通、バンドのボーカル、といえば花があるはず。
しかし彼らが準備しているとき、誰がローディなのか
誰がメンバーなのかさっぱりわからなかった。

演奏が始まった時、愕然とした。
とっても、とっても冴えない小太りで髭の男の人がぼそぼそと歌いはじめた。
歌の内容はとてもとても後ろ向き。

君は僕のことを好きじゃなくて、
僕はとっても寂しくて
僕はだめだ、もうだめだ

記憶によれば歌詞はこんな感じだったと思う。
私は考えた。
これがRadio Headのトムヨークだったら??
それは美しい悲劇のヒーローだ。
しかし彼は???

失礼ながら、いたたまれない気分になってしまった。
少しも、しゃれにならないじゃないか!

スペインではステージに上がるときに
もう少しおしゃれしようとか、ステージ衣装着ようとか
が、あまりないように思える。
そこらにいる人がひょっとステージに上がって歌いだす。

Urslaの彼もスペイン人流でいえば、問題ないんだろう。
しかし日本人流に慣れた私は、しゃれにならないから
彼は少しもっと明るい音楽をやったほうがよいのではないか?
または、センチメンタル路線でいくならば、少しそれっぽくしたほうが?

と真剣に考えてしまったのだ。


ちなみに彼らのアルバムのタイトルはたしか
「僕の葬式のサウンドトラック」だったような気がする。
合掌。

FnacへGO! (2003/12/27)

CDのチェックをするとき、必ずFnacにいく。
何年か前まではMadrid Rockのほうが、品揃えがよく
値段が安かったらしい。
が、今はそんな違いはなく、むしろFnacの方が安い気がする。

だけど、Fnacにいく一番の理由は見やすいから。
私が一番に向かうのはスペイン国内のIndependienteコーナー。
ここにいけば、私好みの音楽が見つかる。
Madrid Rockにはこの区分けはない。
言ってみれば、浜崎あゆみと、ゆらゆら帝国が同列に並んでいる。
ジャンル分けを嫌う人もいるけど、CD屋さんに行くときには
分かれているほうが便利だ。

実はインディーズ、の言葉の定義を私はしらない。
言葉に忠実になれば、メジャーのレコード会社に対して
独立した、自主制作の、ってことになるが
このコーナーにはSonyに所属するSidonieが鎮座している。

以前、ある新聞の音楽記者に聞いたところ、
現在はある傾向の音楽のタイプを示す言葉になっている、
と説明してくれた。

ってことで、私の解釈は 「私好み」。

今日のFnac国内のIndependienteコーナー。
1位 Najwa
2位 Dover
3位 La Buena Vida
4位 Deluxe

なぜスペインロックなのか? (2003/12/25)
スペインらしい音楽といえば、フラメンコ。
またはラテン(歌謡)っぽい音楽。
それも確かにいい音楽なんだ...とたぶん思う。実際、わたしはそのへんに興味がない。

じゃ、なんでスペインロックなのか?

ロックというのは、世界の共通語だから。

フラメンコはいわば方言で、世界の一部だけで
話されている言葉のようなものだ。
それに対してロックは世界共通語だから、みんなが同じように話す。
または、話そうとしている。

みんな同じように話そうとしているけれど、勢い、
自分の住んでいるところの訛りが、ひょっと出てしまう。
同じ共通語のはずなのに、微妙に違う。

なぜだろう、その辺のバリエーション、ずれ、訛りが面白い。
スペインのバンドは時に、日本人の私には
考えつかないような共通語=ロックで話す時がある。

その最初のショックがLos Flechazosだった。
Chuchoなども、日本のロック、英米ロックだけ聴いていたのでは
けっして出会えない音だろう。

じゃ、なんで日本のロックじゃないのか?
それは私が日本人だから、その訛りの気づかないところもあるから。

OZU のこと (2003/12/24)

先日、El Senor de los anillos, 指輪物語を映画館に見にいった。

私のこの作品の見方はめちゃくちゃで
2作目を一番最初に飛行機の中で英語、日本語字幕で
次に1作目を友人宅でスペイン語、スペイン語字幕で
最後、3作目を英語、スペイン語字幕で見た。

なもので、きちんとすべて理解した、とはいえないので
きちんとした感想は言えないのだけれど、
3時間あまりの作品でその長さを感じさせない
というのはすごいことだと思う。
アクションシーンや戦争シーンは苦手なほうだけれど
これもすばらしかった。

と、指輪物語はさておき。
人を待っているあいだに、ふと看板をみると
小津監督の「東京物語」
そしてその横には「おはよう」。
なんと、この映画館は小津特集をやっていのだった。

「東京物語」は緑、「おはよう」は赤ベースの
60年風のポップなポスター。
日本で小津作品を上映する時にはこんなポスターありえないだろう。

ほんとに海外では小津、黒澤、溝口をみてないと
日本人ではない、みたいな扱いをされることがある。
恥ずかしいことに、小津作品2、3作しか見たことがない。
しかも暴睡して、内容をほとんど覚えていないものもある。

小津、黒澤、溝口、もいいけど。
でも私は、スペインの人に、青山真二監督や
利重 剛監督等の新しい作品も見てほしい。
この2人は確か海外の賞をとっているのにスペインでは
全く知名度ゼロ。

いつまでたっても、日本はサムライと禅の国なのもなあ,,,,
(あ、マンガもあるか,,,。)

スペイン語で歌うこと (2003/12/22)
大学のレポートでめずらしく、優をとったことがある。
スペイン音楽の授業で、テーマは「スペインのハードロック、へヴィメタル」。

考えれば、スペイン音楽の大御所と言われる先生の下で
よくもまあ、HR/HMなんてジャンルを選べたものだと今になって思う。
詳細は忘れてしまったけれど、ポイントは

「スペインのハードロックがB級っぽく聞こえるのは
「子音と母音」とうい組み合わせの発音による」

日本語も同じだけれど、スペイン語は
子音の次には普通、母音がくる。  例)casa
子音が次にくることは少ない。   例)tres
必ず母音をはさむとスピーディーさに欠ける。



ロックは英語のようなスピーディな言語に向いていると思う。
たとえば英語は1拍だけでも、1単語歌うことができる。
ところが、日本語や、スペイン語は1音節しかのせられない。
結果、字余り感がぬぐえない。

ほかにもスペイン語で歌うバンドの曲を聞いている時に、
違和感、または あかぬけなさを 感じることがある。

どんな時かといえば歌詞に何度も「J」の音と、「R」の音が出てくる場合。

「J」は日本語の「ホ」よりも強く摩擦させた音。
「R」はご存知、巻き舌。

この2つの音は英語圏のロックでは聞きなれないせいか
かなりの存在感を放つ。
この音が繰り返される曲を聞くと、ああスペインと思ってしまう。

スペイン語で歌うこと、はある意味ハンディーだ。
それでも、スペイン語に歌うことにこだわるバンドとファンがいる。
逆に英語のみで歌うバンド、スペイン語での歌を受け入れないファンもいる。

私としてはB級さを感じさせない、または違和感すら武器にしてしまう
スペイン語で歌うバンド、というのに期待している。

CDを買うこと (2003/12/19)

世界的にCDが売れていないらしい。

たぶん、インターネットで簡単に音楽が手にはいるからだと思う。
今週のEl Paisでは、別の付加価値を探すこと、すなわちDVDと
Pearl Jamのようにライブ盤をオフィシャルで出すこと、が
各レコード会社、アーチストの模索している道だと言っていた。

スペインではCDが売れていないらしい。

インターネットもそうだけど、TOP MANTA
(コピーCDを布の上に広げて路上で売っている人たち)
でみんな買っているからかもしれない。
だいたいCDが高いと思う。
平均15から20ユーロくらい。日本とそんなに変わらない、
といっても、スペインの平均給料は日本と全然違う。
何人かの人にいわれたけれど、スペインのインディーズ系のバンドで
スペイン国内よりも、日本での売り上げの方が上のバンドがいくつかあるらしい。

そうそう、日本は買い物の国。

私も水曜日、ダブルスタンプの日はかならずHMVに出没してた。
CDのジャケットにものすごい愛着を覚えるほうだから、コピーも
あまり好きじゃないし、何よりもCDを買うこと、が好きだった。
ジャケ買いもよくしてたなあ。
時には買ってもパッケージすら開けない時もあった。

日本ではこういう人多いと思うけれど、これも変わっていくんだろうか?

Heavyのこと (2003/12/18)

私は昔ヘビメタだった。

髪型はかまやつに似ているといわれた。
黒のスリムのジーパン、バンドの黒Tシャツ、安全ピンのたくさんついた
Gジャンが必須アイテム。
女の子の場合は網タイツ、豹柄スカート、という選択もあったけど
水商売と間違えられないように気をつけなければならなかった。

MADRIDではよくHeavyの人をみかける。
スペイン語ではLos Jevisとも言うらしい。
でも、よくみると少し日本のヘビメタの人とは違う。

・前髪はない。いわゆるワンレンで、ひとつに束ねていることも多い。
・髭の人が多い。
・Tシャツはアイアンメイデン、AC/DC、またはMago de Oz。
・ズボンは日本ほどスリムではない。でも必ず黒。
・首には必ず白地に黒の模様の入ったスカーフを巻く(これが重要)。

実際見てみたいのなら、映画「ビースト 野獣の日」を見るといい。
準主役の彼、あれが、まさに私の中でのJevisのイメージ。

Los Jevisは下町、Vallecasのあたりに多いとか。
音楽の趣味によって、社会グループが形成されていて
ROKERO(ロッカー)とPUNKIS(パンク)とは抗争もあるとか、ないとか。

Perturbadosの曲にも、Heavyのことをおちょくった曲があったな。

Los Pegamoidesのこと (2003/12/17)

アラスカが所属したバンド、ALASKA  y LOS PEGAMOIDESのベスト盤をFNACで買って
このごろよく聞いている。

買う前は、どちらかといえば、MOVIDAの資料として、と思っていたけれどこれが大間違い。
まず、ストレートなパンク、と思っていたのだけれど、どうもニューウェーヴも混じっている模様で もう少し複雑。
80年代なキーボードが結構な味をかもし出している。

どれも素晴らしいのだけど、やっぱり日本人としては"TOKYO"が印象深い。
80年代はHANOI ROCKSもそうだったけど、東洋趣味が流行っていたのかな??
まず、外国映画で日本が出てくるときにかかるような曲調のキーボードのイントロから、腰が抜ける。

歌詞がまた素晴らしい。
パンクでは、1つのフレーズだけで1曲にしてしまうことが多いけど、そんな感じ。

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"東京"

君はYESって言ったけど、
僕はそう思わない、
君は僕を東京で待ってない
君はNOって言ったけど、
でも僕は知っている、
君は東京で僕を待っている

すべては東京で変わってしまった
もう君は東京にいない
東京には

君は飛行機で飛んで行きたいって思ってる
東京に向かって

君は、僕にさよならって言った
僕は、君にやぁ、って言う
東京で

すべては東京で変わってしまった
もう君は東京にいない
東京には
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たいしたことは何も言っていない。東京のことなんて何もしらないはず。
でもミニマリズムというのか、なんだか想像力をかきたてられる。
遠い東京で何があったのか!!!
ロマン主義時代の異国情緒もこんな感じだったのかもしれない。

ベスト盤であるせいか、バラエティーに富んで飽きさせない。サーカス調や、CURE調、オリエンタル調......
ギターやキーボードも安っぽいようで、以外にいい。

やっぱりアラスカはすごいかもしれない。

 
 
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